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米韓FTAを見ればTPPの問題点が分かる
投稿日:2011年12月13日 08:37    カテゴリー: TPP交渉参加


 李明博大統領は11月29日、FTA関連法案に署名し、米韓FTAの発効に向けた韓国側の手続きが完了したようです。あとは、アメリカ側との手続きを経て来年1月1日にも発効する見通しだといわれています。

 しかし、催涙弾で騒然とする韓国国会の模様をマスコミは興味津々で伝えましたが、肝心の協定内容を詳しく伝えていません。TPPは事実上の“日米FTA”ですから、米韓FTAはTPP交渉の参考になるといわれているにもかかわらず。これについて京都大学の中野剛志准教授は次のように話しています。

「(略)米韓FTAもTPPと同じように、関税の完全撤廃という急進的な貿易自由化を目指していたし、取り扱われる分野の範囲が物品だけでなく、金融、投資、政府調達、労働、環境など、広くカバーしている点も同じだ。
そして何より、TPP推進論者は『ライバルの韓国が米韓FTAに合意したのだから、日本も乗り遅れるな』と煽ってきた。その米韓FTAを見れば、TPPへの参加が日本に何をもたらすかが、分かるはずだ。
だが政府もTPP推進論者も、米韓FTAの具体的な内容について、一向に触れようとはしない。その理由は簡単で、米韓FTAは、韓国にとって極めて不利な結果に終わったからである。」
http://diamond.jp/articles/-/14540

 「韓国にとって極めて不利な結果に終わった」とは、どのような内容なのでしょうか?たいへん情報が少ない中、JA全中が『国際農業・食料レター』特別号(163)で米韓FTAに詳しい酪農学園大学の柳京煕(ゆう きょんひ)准教授の研究内容を紹介しています。
http://www.zenchu-ja.or.jp/food/pdf/1319689368.pdf

また、JAcomにも記事が掲載されています。
http://www.jacom.or.jp/news/2011/11/news111111-15367.php

 概要を以下、紹介します。

・主要輸出品目の繊維で韓国が期待したほどの効果がでない。5年、10年と関税譲歩が留保された部門の割合が38.8%にものぼる。

・自動車部門では、米自動車産業に配慮し、2.5%の関税を5年かけて段階的に撤廃するが、韓国側の関税は即時に半減させ4%とする。米国が韓国製トラックに課している25%の関税は8年間存続するが、米国製トラックに対する10%の関税は直ちに廃止される。そのほか、排気量基準税制の免除・引下げ、環境基準の強化(排出ガス自己診断装置の装着義務化)、米国車が韓国に少量輸入される場合には米国の安全基準だけクリアすればよい、韓国車の対米輸出が急速に増加した場合に米国は輸入緊急制限措置(特別関税)を発動できる、など。

・「米韓FTAは医薬品、衛生検疫措置の放棄、GMO危険性評価放棄、保健政策および環境政策に対する投資家の政府提訴権の認定、公企業の商業的運営などあらゆる方面で規制緩和を踏み切った」。
韓国にも国民皆保険制度があるが、経済特区を指定して営利病院の経営が認められた。営利病院では医療費を病院経営者がきめることができ、健康保険医療費の6〜7倍の請求がされることがあるとされている。

・アメリカは牛肉のBSE危険部位を除去しないまま輸出することがしばしばあるため、輸入禁止措置が頻繁にとられてきたが、米韓FTAではOIE勧告条項を強制条項として承認し、規制を緩和した。ちなみに日本はOIE勧告条項より厳格な措置を実施している。

・GMO(遺伝子組換え食品)に関わる措置を事実上放棄した。

・韓国農産物の品目数で4割、輸入金額で6割が直ちに関税撤廃となった。5年以内の完全撤廃は品目数で6割、輸入金額で7割に達する。「5年間で国内農業の構造を画期的に変えない限り、米国産の農産物によって壊滅的な被害が出る」「一言でいえば、米韓FTAは農業の犠牲のうえに妥結したといっても過言ではない」。

・「『毒素条約』を見ると、明らかに韓国に不利な交渉結果であることが明らかである。それを整理すると以下のとおりである」
(1)サービス市場開放のネガティブリスト
 サービス市場を全面的に開放する。例外的に禁止する品目だけを明記する。

(2)ラチェット条項
 一度規制を緩和するとどんなことがあっても元に戻せない、狂牛病が発生しても牛肉の輸入を中断できない。

(3)未来最恵国待遇
今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が米国に対する条件よりも有利な場合は、米にも同じ条件を適用する。

(4)Snap-back
自動車分野で韓国が協定に違反した場合、または米国製自動車の販売・流通に深刻な影響を及ぼすと米企業が判断した場合、米の自動車輸入関税2.5%撤廃を無効にする。

(5)ISD条項
韓国に投資した企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、世界銀行傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。韓国で裁判は行わない。かつ韓国にだけ適用。

(6)Non-Violation Complaint
米国企業が期待した利益を得られなかった場合、韓国がFTAに違反していなくても、米国政府が米国企業の代わりに、国際機関に対して韓国を提訴できる。

(7)韓国政府が規制の必要性を立証できない場合は、市場開放のための追加措置を取る必要が生じる。

(8)米企業・米国人に対しては、韓国の法律より韓米FTAを優先適用
 例えば牛肉の場合、韓国では食用にできない部位を、米国法は加工用食肉として認めている。FTAが優先されると、そういった部位も輸入しなければならなくなる。また韓国法は、公共企業や放送局といった基幹となる企業において、外国人の持分を制限している。FTAが優先されると、韓国の全企業が外国人持分制限を撤廃する必要がある。

(9)知的財産権を米が直接規制
 例えば米国企業が、韓国のWEBサイトを閉鎖することができるようになる。非営利目的のBlogやSNSであっても、従来韓国で一般的に容認された考えと著作権に対する米国の考えは全く相違しているため、訴訟が多発する可能性があると言われている。

(10)公企業の民営化

 以上です。これらがTPPでも問題になるというのです。



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