NOSAIの理念

農業災害補償法から農業保険法へ

 農業共済制度は、昭和22 年の制度発足以来70 年にわたり、国の農業災害対策の基幹として、損害を未然に防止するとともに、共済金の支払いや畜産分野における家畜診療費の補てん等を通して、農家の経営安定・農業生産力の発展に大きな役割を果たしてきました。

 平成30年には「農業災害補償法」が「農業保険法」に改正され、収入保険制度の導入が行われたことで、実施主体となるNOSAI団体は、これまでの農業災害対策に加え、農業者の経営発展を支援する役割も担うこととなりました。

 役職員は、農業者が経営方針を立てる際に適切なアドバイスができるよう農政全般・税務等の知識を身に付けるとともに、これまで以上に農業の現場に足を運び、全ての農業者にセーフティネットを提供するため、農業共済制度と収入保険制度の加入促進に取り組んでいます。

農業保険法

(目的)

第一条

 この法律は、農業経営の安定を図るため、災害その他の不慮の事故によって農業者が受けることのある損失を補填する共済の事業並びにこれらの事故及び農産物の需給の変動その他の事情によって農業者が受けることのある農業収入の減少に伴う農業経営への影響を緩和する保険の事業を行う農業保険の制度を確立し、もって農業の健全な発展に資することを目的とする。

NOSAIの理念

農業は 緑・土・水 を守り
豊かな食料を供給する産業です
わたくしたちNOSAIは
みずからの知と技を磨き
信頼の絆によって損害の防止と補てんに努め
日本農業の発展と
うるおいのある社会づくりに貢献します

「食料・農業・農村基本法」と農業保険制度

 農業保険制度は、平成11年7月に制定された「食料・農業・農村基本法」の31条に位置づけられています。この31条は旧農業基本法第10条とほぼ同一の内容であり、農業保険制度は新旧基本法においてほぼ同一の条文となった唯一の制度です。

 令和2年3月に閣議決定された第5次「食料・農業・農村基本計画」では、「産業政策」と「地域政策」を車の両輪とし、食料自給率の向上と食料安全保障の確立を目指す方針の下、農業経営安定化の有効な手段として、収入保険の普及促進・加入拡大が強調されました。

食料・農業・農村基本法

(目的)

第一条

 この法律は、食料、農業及び農村に関する施策について、基本理念及びその実現を図るのに基本となる事項を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにすることにより、食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図ることを目的とする。

(農業災害による損失の補てん)

第三十一条

 国は、災害によって農業の再生産が阻害されることを防止するとともに、農業経営の安定を図るため、災害による損失の合理的な補てんその他必要な施策を講ずるものとする。

食料・農業・農村基本計画

第3 食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に講ずべき施

2.農業の持続的な発展に関する施策

(4)農業経営の安定化に向けた取組の推進

① 収入保険制度や経営所得安定対策等の着実な推進

ア 収入保険の普及促進・利用拡大

 自然災害や価格下落等の農業経営における様々なリスクに対 応し、農業経営の安定化を図るために収入保険が有効な手段であることから、昨今の自然災害等への対応を検証し、収入保険の普及促進・利用拡大を図る。このため、加入申請手続の簡素化など現場ニーズ等を踏まえた改善等を行うとともに、地域において、農業共済組合をはじめ行政、農業協同組合や農業法人協会等の関係団体や農外の専門家等が連携して推進体制を構築し、加入促進の取組を進める。

「地域の活力創造プラン」・「総合的なTPP関連政策大綱」と収入保険

 政府は、今後の政策改革のグランドデザインとして策定した「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂しながら、「強い農林水産業」と「美しく活力ある農山漁村」の実現に向けた改革を展開し、経営マインドを持つ農業経営者の育成と新たなチャレンジを後押しする環境整備を強力に進めています。

 特に農政の改革方向としてまとめ、プランに追加した「総合的なTPP関連政策大綱」に基づき、13 項目の政策課題の展開方向を示した「農業競争力強化プログラム」(平成28 年11 月策定)の実行で、更なる競争力強化を実現するとしています。この強化プログラムでは、農業者の自由な経営展開と構造的な問題の解決を課題に掲げ、農業者ごとの収入全体に着目した新たなセーフティネットとして、「収入保険制度の導入」を重点施策の一つに位置付けています。

地域の活力創造プラン

Ⅲ 政策の展開方

6.更なる農業の競争力強化のための改革

<展開する施策>

① 生産者の所得向上につながる生産資材価格形成の仕組みの見直し

② 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通・加工の業界構造の確立

③ 農政新時代に必要な人材力を強化するシステムの整備

④ 戦略的輸出体制の整備

⑤ 全ての加工食品への原料原産地表示の導入

⑥ チェックオフ導入の検討

⑦ 収入保険制度の導入

⑧ 真に必要な基盤整備を円滑に行うための土地改良制度の見直し

⑨ 農村地域における農業者の就業構造改善の仕組み

⑩ 飼料用米を推進するための取組

⑪ 肉用牛・酪農の生産基盤の強化策

⑫ 配合飼料価格安定制度の安定運営のための施策

⑬ 牛乳・乳製品の生産・流通等の改革