ブログ

獣医師職員の1日に密着

2022年10月11日 家畜診療所

 NOSAIには獣医師職員がいるのをご存じですか?現在、NOSAI山梨家畜診療所には、8人の獣医師がいます。

 獣医師といえば動物のお医者さんですが、NOSAIの獣医師は犬・猫などのペットではなく家畜共済に加入している牛などを診療します。牛を農家さんが診療所に連れてくることはできないので、先生たちは、車で往診に出かけるのが日常です。

 今回、峡北連絡所(北杜市長坂町)勤務の佐々木先生に1日密着してきましたので、NOSAI獣医師の1日をご紹介します!

~8:00 出勤 引継ぎや診療の準備があるので、早めに出勤するそうです。

使用する器具や薬品を車に積み込みます。

8:30 診療に出発。この日は、清里を中心に9戸の農家を回る予定。

9:00 1件目。肉牛農家さんの子牛に貧血予防の鉄剤を注射。

診療の後は、通知書に診療の内容(使用した薬品名や量など)を書いて農家さんにお渡しします。

9:30 2件目。別の肉牛農家さんへ。繁殖和牛に直腸検査をして、卵巣や子宮を触り、状態を確認します。

診療は、放牧されている牛を捕まえるところから始まります。今回は農家さんに捕まえていただき、検査!

10:30 3件目。今度は酪農家さん。乳房炎の乳牛1頭と、お産疲れ(乳熱+肺炎)の乳牛に点滴。

10:50 4件目。早産で死産してしまった母牛の診察。乳が出ないと飼い続けることはできません。

畜主さんに状況を伝え、要望にそった処置をします。

11:40 5件目。酪農家さんです。お腹の具合が悪い牛を診察。第四胃(牛には胃が4つあります)にガスがたまり、正常な位置から移動してしまったようです(第四胃変位)。塩分の多い薬剤を点滴して、水をいっぱい飲むように仕向け、自然に治すそうです。

指で牛の腹をはじきながら聴診器をあてます
いっぱいお水を飲んで、早く治るといいね

12:20 昼休憩。といっても、コンビニでおにぎりを買って食べてすぐに出発。

12:40 6件目。酪農家さんで繁殖検診です。定期的に行って、繁殖状況を把握しています。

搾った牛乳は、バルククーラーに保管します。ちょうど、業者さんが牛乳を回収にきていました。こちらでは1日2回の搾乳で800Lだそうです。

13:00 7件目。乳房炎の牛の再診。

4つの乳房から器具にそれぞれ乳をとります。
薬品を入れて色の変化を見て検査します。

13:20 8件目。下痢(腸炎)の子牛3頭に薬を注射。うち1頭は中耳炎だったので、左耳の洗浄をしました。

肛門に体温計を入れて検温します。

14:10 9件目。右アゴが腫れている子牛に注射。関節炎の子牛は、診察の結果、後日手術になりました。釘を踏んで右後ろ足に炎症を起こしている乳牛は、他の診察を済ませてから処置することに。

15:00 農家さんから電話があると、診療件数はどんどん増えるそう。10件目です。乳房炎1頭と、予定日を過ぎても出産しない牛の診察。

出産間近の牛には、明日分娩誘発剤を打つそうです。

15:50 11件目。分娩前の乳牛ですが、元気がなく立つのを嫌がるということで診療依頼。

分娩が進んでいるか確認します
風邪の症状があったので、お尻に抗生物質を打ちました。

16:20 9件目の農家に戻り、釘を踏んでしまった乳牛の処置。

 傷の深部まで消毒できるように切開して、しっかり消毒後、保護のためテーピング。もちろん麻酔下で処置しますが、暴れると危ないので、このような囲いに入れて保定します。

17:30 事務所に戻ります。

 まだ仕事は終わりません。採血した血液の検査や、器具の片づけ、汚れたツナギの洗濯などをしながら、カルテを入力して業務終了です。

 筆者は、1日ついて回っただけでものすごく疲れました。先生方はこれが日常なんですね。そういえば、今日は少ない方ですと言っていたような・・・。すごいです。 佐々木先生、2年目とは思えない仕事っぷりでした!診療の合間に農家さんともしっかり話をしてコミュニケーションをとっていて尊敬!農家さんからも「すごく助かっている」と、感謝のお言葉いただきましたよ。これからも頑張ってください!