稲作だより

稲作だより

 稲作農家の皆さまへ、時季ごとの作業に役立つ情報をお届けする「稲作だより」を発行しています。農作業の参考にしてください。

 水稲栽培講座(土壌診断講習)の資料はこちらかをご覧ください。↓

 ・土壌診断に基づく土づくり

 令和3年度に水稲・大豆で発生した病害虫の対策については、下記ページにまとめてありますのでご覧ください。↓

 ・令和3年度水稲・大豆に発生した病虫害の対策について|NOSAI山梨 (nosai-yamanashi.or.jp)

 水田の雑草防除についての情報はこちらをご覧ください。↓

 ・水田の雑草防除について (PDF) 

最新号

NOSAI稲作だより

第10号
2023.8

向こう1ヶ月は高温となる確率が80%、台風にも注意を

  • 8月24日発表の1ヶ月予報(8月26日~9月25日)によると、気温が平年より高い確率は80%となっています。また直近の2週間予報(下図)によると9月2日までは35℃以上の猛暑日が続き、9月4日以降も気温は平年よりかなり高くなる予報となっています。出穂以降、高温が続くと胴割粒や白未熟粒の発生による品質低下が懸念されます。
  • 8月に入って発生する台風が多くなっています。28日には台風11号が発生、現在太平洋上に3つの台風が発生しています。特に8月と9月は月に5つ以上の台風が発生するといわれており、この時期は海水温が高   いため強い勢力を保ったまま上陸する危険があります。  

連日の高温で胴割・白未熟粒発生の恐れ、水管理徹底を

  • 出穂後の高温下では、きめ細やかな水管理を行ってください。特に今年は、降雨が少なく高温であるため、出穂後30日より前に早期落水しないでください。
  1. 出穂から30日後までは落水せず、間断かん水(2日湛水、2日落水)または飽水管理として、気温の低い朝夕の用水交換で水温・地温を低下させてください。
  2. 出穂30日以降も高温で経過する場合は、完全落水せずに収穫の5日程度前までは走水程度の飽水管理とし、健全な登熟を促しましょう。
  • 台風による強風雨やフェーン現象の恐れがある場合は、次のような対応を取ってください。
  1. 強風が吹く前に湛水管理に切り替え、強風が去った後は速やかに間断かん水または飽水管理に戻してください。
  2. 事前に排水路の点検、補修、ごみを除去しておき、水口と排水路をふさぎ、水の流入を防ぎましょう。
  3. 収穫が近い場合は、倒伏や穂発芽を防ぐため、やや早くても収穫してください。(収穫時期の5〜7日前の収穫は、収量・品質への影響はほとんどありません)

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NOSAI稲作だより

第9号
2023.8

向こう1ヶ月は高温となる確率が80%、降雨にも注意を

  • 7月27日発表の1ヶ月予報(7月29日~8月28日)によると、気温が平年より高い確率は80%となっています。出穂後高温が続くと胴割粒や白未熟粒の発生による品質低下が懸念されます。適切な水管理で品質低下を防止しましょう。
  • また直近の2週間予報によると8月5日までは猛暑日が続き、8月8日以降は台風の影響で雨が降る確率が高くなっています。この時期は出穂~開花期に当たります。出穂直後の穂は、特にいもち病に弱いので、降雨が続くと穂いもちの発生が懸念されます。

出穂から1週間程度は湛水管理・高温時は水交換を

 出穂~登熟期の水管理は次のようにしてください。

  1. 出穂から1週間程度は、稲が最も水を必要としますので、湛水管理で水深3~5㎝を保ってください。
  2. 出穂後1週間程度~出穂後30日の登熟期は、間断かん水(2日湛水、2日落水)とし、出穂後30日間は完全落水しないでください。
  3. 出穂期以降も高温となる場合は、胴割れや白未熟粒が発生し品質が低下するので、水交換やかけ流しにより水温、地温の上昇を抑えてください。

穂いもち・斑点米カメムシの防除で減収回避

 <穂いもち>

  1. 出穂直後の穂は、特にいもち病に感染しやすいため薬剤防除を徹底してください。  
  2. 穂いもちの防除時期は、「穂孕後期」と「穂揃期」の2回です。適期に防除してください。

 <斑点米カメムシ> (8月中の草刈は行わず、薬剤防除を徹底してください)

  1. 本田への発生が認められた場合は、殺虫剤を穂揃期と乳熟初期(穂揃期7~10日後)の2回散布してください。
  2. 粒剤を使用する場合は出穂期~出穂7日後までとし、湛水状態(水深3㎝程度)で田面に均一に散布し4~5日間は湛水状態を保ち、散布後7日間は落水・かけ流しはさけてください。

第9号 ダウンロード

NOSAI稲作だより

第8号
2023.7

高温傾向で分げつ量は平年並み、やや早い生育

  • 6月が比較的高温で推移したため、分げつ量は中間地から高冷地にかけて概ね平年並みでやや早い生育となっています。7月13日発表の1ヶ月予報によると、気温が平年より高い確率は60%となっており、特に15日からの一週間は高い確率が80%となっています。日照時間が平年より長い確率は40%で、降水量は平年並みか少ない予報となっています。

穂肥は生育診断により適期・適量の徹底を

  • コシヒカリなどの倒伏しやすい品種と、あさひの夢などの倒伏に強い品種とでは、穂肥の施用時期や施用量が異なるので、下の表を参考に施用してください。
  • 分げつ量が多く、葉色が濃い場合は、施用量を減らすか無施用とします。また、施用時期が遅れたり施用量が多いと玄米粗タンパク質含有量が高くなり食味が悪くなるので、注意してください。
  • 穂肥を施用する場合は、湛水状態で行い、散布後3~5日は止水してください。

出穂期前後の水管理

  • 出穂期前後の水管理は次のようにしてください。
  1. 出穂前までは間断かん水(2日湛水、2日落水)を行います。
  2. 出穂から1週間程度は、稲が最も水を必要としますので、湛水管理で水深3~5㎝を保ってください。
  3. 出穂後1週間程度~出穂後30日は、間断かん水(2日湛水、2日落水)とし、出穂後30日間は完全落水しないでください。
  4. 出穂期以降高温となる場合は、胴割れや白未熟粒が発生し品質が低下するので、水交換やかけ流しにより水温、地温の上昇を抑えてください。 

出穂期前後の病害虫防除の徹底を

 6月30日に県病害虫防除所が発表した「病害虫発生予察報第4号」によると、斑点米カメムシの発生量は平年並みとの予報が出ています。斑点米カメムシは、畦畔や近隣の遊休農地のイネ科雑草で増殖し、稲が出穂すると本田に飛来して加害するので、出穂2週間程前までに畦畔等の除草を徹底してください。

 梅雨入り直後は、曇雨天の日が多く、いもち病の初発生が例年より早くなると心配されましたが、今のところいもち病はほとんど見られません。しかし、市川三郷町の無防除水田で葉いもちが出ていますので、今後の気象によっては発生に十分注意してください。

斑点米カメムシ

 近年、温暖化に伴いカメムシ類の被害が多くなっています。カメムシは籾を吸汁して斑点米を発生させますが、寄生数が多いと不稔になり、ほとんど収穫できない場合がありますので、次により防除してください。

  1. 畦畔や水田周辺のイネ科雑草から出穂期に本田に飛来すること、また水田内のヒエやホタルイの穂がカメムシの誘因源、発生源になることから、出穂2週間程前までに畦畔等の草刈り、水田内の除草をしてください。
  2. 本田への発生が認められた場合は、殺虫剤を穂揃期と乳熟初期(穂揃期7~10日後)の2回散布してください。
  3. 粒剤を使用する場合は出穂期~出穂7日後までとし、湛水状態(水深3㎝程度)で田面に均一に散布し、4~5日間は湛水状態を保ち、散布後7日間は落水・かけ流しはさけてください。

クモヘリカメムシ
ホソハリカメムシ
図 斑点米カメムシの生態

いもち病 (葉いもち)

 いもち病は、発生してからでは抑えることが難しい病気です。 特にいもち病に弱いコシヒカリなどの品種では、田植前の育苗箱への薬剤処理、本田期での予防散布を徹底することが防除のカギとなりますので、次の点に注意してください。

  1. 葉色が濃い場合は、感染を助長しますので、圃場を良く見回り、早期発見、早期防除を徹底してください。
  2. 万が一、葉いもちが認められた場合は、早急にブラシンなどの治療効果のある薬剤を散布してください。
  3. 粒剤やジャンボ剤を使用する場合、水深3cm以上を保ち、散布後は少なくとも3~4日間は湛水状態を保ってください。また、散布後7日間は、落水・かけ流しはさけてください。
葉いもちの病斑

第8号 ダウンロード

NOSAI稲作だより

第7号
2023.6

梅雨入りは平年より1日遅い8日

  • 6月初めから台風の影響もあって降水量は多いものの、晴れの日が続いたこともあって梅雨入りは平年より1日遅い6月8日でした。比較的高温傾向であったため、ワキや藻類の発生が見られる水田では、一度水交換を行い、その後浅水管理(水深2~3㎝)とし、昼間止水・夜間注水で分げつを促してください。

気温が高く、降水量は少ない予報、ワキの発生に注意

  • 6月15日発表の1ヶ月予報(6月17日~)では、気温は平年より高く、降水量は平年並み又は少ない、日照時間は平年並み又は多い確率がそれぞれ高い予報となっています。
  • 気温が高く、晴天が続くと土壌が異常還元状態(ワキ)になりやすくイネの生育に影響するので、土壌からの気泡の発生の有無や葉色、分げつ量を確認してワキが発生していないか日頃から観察しましょう。
  • 晴天・高温が続く場合は、2~3日おきに水の入替を行い、ワキや表層剥離の発生を抑制しましょう。万一ワキが発生した場合は、下の表により対策を行ってください。

有効茎数が確保された水田から中干しを

 ■中干しは、水管理の中でも重要な作業です。中干しすること
 で次のような効果が期待できます。
  ① 土壌の通気を良くし硫化水素等の有害物質を除いて根の 
    老化を防ぎ、活力を維持する。
  ② 窒素の吸収を抑え、無効分げつを抑制する。
  ③ 加里の吸収が多くなり。イネの組織が強くなる。
  ④ 土壌が硬くなることにより、倒れにくくなる。

中干し終了後の田面の目安

 ■中干しは、有効な分げつが確保された出穂前40日~30日に実施します。中干しの程度は、田面に
 やっと足跡が付く位か、2~3㎜くらいの小さなヒビが入るくらいで5~7日程度を目安
にしま
 す。  

中干し終了後は、間断かん水に切り替え

■中干し後の水管理
 中干し終了直後に湛水すると根腐れを起こしやすく登熟不良や早期枯れあがりにつながります。
 中干し終了後は走り水で飽水管理(足跡に水がにじみ出る程度)した後、徐々に間断かん水(2日湛水、2日落水)に切り替え、根の活力維持に努めましょう。

梅雨時は適切な病害虫防除の徹底を

■いもち病 (葉いもち)
 いもち病は、発生してからでは抑えることが難しい病気です。特にいもち病に弱いコシヒカリなどの品種では、田植前の育苗箱への薬剤処理、本田期での予防散布を徹底することが防除のカギとなります。
 NOSAIでは6月9日から富士支所、13日から北部支所で、いもち病の一斉防除を行っていますが、皆さんも次の点に注意してください。
① 置き苗は、いもち病の発生源となるので速やかに処分する。
② NOSAIの一斉防除を申し込みされずご自身で防除する方で、
 特に育苗箱への薬剤処理をしていない方は、早急に本田への予
 防散布を行う

③ 粒剤やジャンボ剤を使用する場合、水深3cm以上を保ち
 散布後は少なくとも3~4日間は湛水状態を保つこと。また、
 散布後 7日間は、落水・かけ流しはさける
④ 万が一、葉いもちが認められた場合は、早急にブラシンなど
 の治療効果のある薬剤を散布
する。

葉いもちの病斑

■斑点米カメムシ
 近年、温暖化に伴いカメムシ類の被害が多くなっています。カメムシは籾を吸汁して斑点米を発生させますが、寄生数が多いと不稔になり、ほとんど収穫できない場合がありますので、次により防除してください。
① 畦畔や水田周辺のイネ科雑草から出穂期に本田に飛来すること、また水田内のヒエやホタルイの
 穂がカメムシの誘因源、発生源になることから、出穂10日前までに畦畔等の草刈り、水田内を除草
 する。
② 本田への発生が認められた場合は、殺虫剤を穂揃期と乳熟初期(穂揃期7~10日後)の2回散布
 る。
③ 粒剤を使用する場合は出穂期~出穂7日後までとし、湛水状態(水深3㎝程度)で田面に均一に
 散布し、4~5日間は湛水状態を保ち、散布後7日間は落水・かけ流しはさける

クモヘリカメムシ
ホソハリカメムシ
図 斑点米カメムシの生態

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NOSAI稲作だより

第6号
2023.5

5月27日から一週間は気温が高め、降水量はやや多い予報

  • 5月25日発表の1ヶ月予報では、気温は5月下旬が高い確率が50%で6月上旬は平年並みの確率が50%の予報。降水量は平年並みまたは多い確率がともに40%、日射量は平年並みまたは少ない確率がともに40%の予報となっています。
  • 田植え後、気温が高いと藻が発生したり、土壌中の有機物の分解が進み土壌が酸欠状態となり、根痛みが発  生し分げつが抑制されたり葉が黄変しますので、水の入替えなど適切な水管理を行ってください。

田植え直後~分げつ期の水管理

 田植え直後は、深水で管理して活着を進め、活着後は浅水管理で分げつを促しましょう。

  • 田植え後1週間は水深を4~5cm程度の深水とし、風や外気から苗を保護することで、苗の消耗を防ぎ新根の発生を促しましょう。活着後は、水深2~3cmの浅水管理とし、日中止水、夜間注水の保温的水管理を行い分げつの発生を促進させましょう。
  • 晴天・高温が続く場合は、2~3日おきに水の入替えを行い、土壌の異常還元(ワキ)や表層剥離の発生を抑制しましょう。 

高温時は土壌の異常還元(ワキ)に注意

 ワキ(ガス害)が発生したら、下記の表を参考に水交換、夜間落水、田干しを行い、ワキの軽減に努めましょう。

ワキによる分げつ不良

除草剤の適正使用で効率的に雑草を抑えましょう

  • 気温が高いとワキや表層剥離が発生するだけでなく、雑草の生育が早まります。雑草の葉齢が進むと除草剤の十分な効果が見込めなくなるので、遅れないよう散布しましょう。
  • 水草や藻類、表層剥離が発生している場合は、ジャンボ剤や豆つぶ剤がうまく拡散できずに、薬害が発生したり除草効果が劣ることが懸念されるので、水草や藻類は早めにモゲトンで駆除してから、除草剤を散布しましょう。
  • 除草剤散布後、7日間は湛水状態を保ちます。その間ワキが進むので、下図のように除草剤散布前に水交換または軽い田干しを行いましょう。
  • 除草剤の効果を高めるためには、均一な処理層をつくることが必要です。水口と水尻をしっかり止め、湛水状態で水深を粒剤・フロアブル剤で3~5cm、ジャンボ剤・豆つぶ剤は5~6cmとし、7日間は落水、かけ流しせずに湛水状態を保ちましょう。(水深が低下した場合は、処理層を壊さないようゆっくり入水する)

いもち病やカメムシの防除を徹底しましょう

 いもち病やカメムシが多発すると、収量が激減したり、米の品質が低下します。低温多雨の梅雨時は、いもち病の感染条件が整いやすいので、薬剤による防除や耕種的防除を徹底してください。

  • 置き苗は、いもち病の感染源になるので廃棄します。畦畔などのイネ科の雑草は、いもち病やカメムシの発生源になるので、定期的に刈り取ってください。
  • いもち病防除剤(粒剤)を散布する場合、水深を3cm以上とし、散布後7日間、少なくとも3~4日間は湛水状態を保ちましょう。
  • 県病害虫防除所の水稲いもち発生予測システム(BLASTAM)を参考に防除が遅れないようにしましょう。
葉いもち病斑
斑点米カメムシの生態

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NOSAI稲作だより

第5号
2023.5

月は気温が前半低めで雨が多い予報・田植えは好天日に

  • 連休中の高温により苗の生育は速い傾向にあります。5月4日発表の1ヶ月予報では、気温が前半低めで2週目から平年並み、雨が多く、日射量は平年並みとの予報となっています。
  • 低温や強風の日に田植えすると苗が植え痛みを起こして活着や初期成育の遅れにつながります。出来れば2~3日程度好天が見込める日に田植えをしましょう。

除草剤効果を保つためにも代かきは均平に

  • 代かきは、湛水状態で土をねるため、施用した元肥を混合でき、水持ちを良くし、また田面の均平化によって田植えがしやすくなり、除草剤の効果もあがるほか、苗の活着も良くなります。大切な作業ですので均平化することを念頭に丁寧に行いましょう。
  • 水持ちの悪い水田では、ある程度丁寧に代かきする必要がありますが、1日当りの減水深は2cmくらいが望ましいので、代かきのやりすぎは水が停滞し稲の生育にもよくありません。
  • 代かきする時期は土質、土性によって違いますが、およそ田植えの2~6日前くらいが目安になります。代かき後の落水は田面を硬くし、田植えの精度を落としたり、除草剤の効果を低下させますので、田植えまでは湛水を保ちましょう。  
代かきは水面に土の塊が3割程度見える
水量で

植え付け深度は3cm程度 浅植え、深植えに注意

  • 植え付け深度は3cm程度とします。極端な深植えは初期の分げつを抑制し、浅植えも活着しなかったり、除草剤の薬害を受けやすいので避けてください。
  • 植え付け本数は4~5本/株、栽植密度は60株/坪を基本に、田植えが遅れる場合や用水の温度が低い圃場では株当りの植え付け本数をやや多めにしましょう。
  • 欠株は、苗の状態、田面の硬さ、ワラなどのゴミの多さが原因で発生します。多少の欠株は収量に影響ありませんが、連続1m以上の欠株が出た場合には20cmに1株の割合で補植してください。
  • 補植作業が終わった後も、余った苗を田内に放置する方が見られますが、いもち病の発生源になるので早めに処分してください。

田植え後1週間は水深5~6cmの深水管理を

活着期の水管理

  田植後の水管理は、植え痛みによる活着

  の遅れを防ぐため、田植え後1週間くらいは

  5~6cm程度の深水管理にして稲体を保護

  し、新根の発生を促して活着を促進します。

げつ期の水管理

  苗が活着すると分げつが始まるので2~3cm程度の浅水管理とし、日中止水・夜間注水の保温的

水管理で地温・水温を上げて根の伸長と分げつの促進を図り、茎数の早期確保に努めましょう。

除草剤は適正に使用し、薬害に注意しましょう

田植え前後に効果的に除草剤を使用して、雑草を抑えましょう。

田植え前後に散布する除草剤としては、初期剤、初期一発剤、初・中期一発剤になります。

高温下ではワキ(ガス害)が心配されるので、除草剤散布前に水交換または軽い田干しを行いましょう。

  • 効果的な除草剤の使い方

  水田除草剤は、田面に処理層を形成することで効果を発揮します。除草剤の効果を上げるポイン 

 トは、次の3点です。 

  1. 除草剤を圃場全体に広げるため、代かきを丁寧に行い凹凸をなくしましょう。また、ジャンボ剤や豆つぶ剤を使用する場合は、アオミドロやウキクサがあると除草成分がうまく拡散できず、薬害が発生することがあるので、アオミドロやウキクサは必ずモゲトンで駆除しましょう。
  2. 均一な処理層を作るため、水口、水尻をしっかり止め、湛水状態で水深を粒剤・フロアブル剤は3~5㎝ジャンボ剤・豆つぶ剤は5~6cmとし、7日間程度湛水状態を保ちましょう。
  3. 処理層を壊さないため、7日間は落水、かけ流しは行わず(水深が低下した場合は、ゆっくりと入水)その間なるべく水田内に立ち入らないでください。

 水田の雑草防除については、NOSAI山梨の広報紙(2022春号No.24)に資料を掲載していますので、そちらも参考にしてください。


第5号 ダウンロード

NOSAI稲作だより

第4号
2023.4

5月上旬までは気温が高く、雨が多い予報

  • 4月27日発表の1ヶ月予報では、気温は5月上旬までは高く、中旬は平年並み。雨は平年並みか多く、日射量は少ない確率がやや高い予報となっています。高温条件下で苗が徒長したり、苗焼けを起こさないよう温度管理に注意してください。

育苗後期・硬化期のポイント

  • ハウスやトンネル内の温度は、日中20~25℃、夜間10~15℃を目安に換気や保温に努めましょう。特に晴天時は、気温が上がりやすいので徒長しないよう換気しましょう。また朝低温が予想される場合は、保温資材を利用して保温に努めてください。
  • 田植1週間前からは、霜の心配がない限り育苗ハウスやトンネルを開放して苗を外気に慣らすようにしましょう。
  • かん水は、十分な水量を朝1回が基本です。夕方のかん水は、床土の温度を下げ、過湿 ・ カビの原因になるので避けましょう。
  • プール育苗は、1.5葉期に床土の高さまで入水し、ハウスを開放。2葉期以降は箱上1cmが目安です。
  • 稚苗は育苗期間が短いので基肥だけで充分ですが、中苗は追肥したほうが良苗ができます。方法は、第2葉展開時と第3葉展開時にそれぞれ1箱当り硫安5gを500㏄の水に溶かしてジョウロで散布してください。
  • 床土に緩効性肥料(育苗一発肥料など)を使用した場合は追肥は必要ありません。

本田準備【土づくり・耕起・基肥】

  • 土づくり肥料(ケイカル・ヨウリン等)を施用して、気象変動や病害虫に強い稲を作りましょう。
  • トラクターの馬力に応じたスピードで耕起し、耕起深15㎝を確保して根張りの良い稲を作りましょう。
  • 基肥は耕起後に施用して、肥料成分が作土層の上部に分布するようにしましょう。
  • 基肥(速効性肥料)は、流亡しやすいので代かき直前に施用しましょう。また、基肥一発肥料(緩効性肥料)は、田植10日前以内に施用しましょう。

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NOSAI稲作だより

第3号
2023.4

気温が高いことが予想されるので適切な温度管理を!

  • 3月の記録的な暖かさで桜の開花も過去最速となり、4月に入っても20℃以上の気温が続いています。今後も気温が高い予想となっていますので、浸種・育苗時はきめ細やかな温度管理を行 い、ばか苗病等の感染や高温障害(苗焼け)に注意してください。

播種作業の注意点

  • 催芽で芽と根が1㎜出た鳩胸状態を必ず確認し、伸ばしすぎに注意しましょう。
  • 播種量(乾籾換算)の目安は、中苗が80~100g/箱、稚苗が130~150g/箱です。播種量が多いと軟弱徒長苗の原因になるので注意しましょう。
  • 覆土の厚さは、床土使用では5~7㎜程度、育苗マット使用では10㎜程度としてください。

育苗時の温度管理の目安

育苗期間中の主な病害

 出芽を揃え、温度管理やかん水を適切に行い、農薬を適正に使用して病害を発生させないように管理しましょう。育苗中の主な病害は表1のとおりです。

本田の土壌管理

 土づくり資材としては、堆肥やようりん、ケイ酸資材があげられます。堆肥は、土壌の物理性、化学性、生物性を改善しイネが生育しやすい環境を作ります。ようりんやケイ酸資材は、イネの生育に必要な養分の供給源となるとともに気象変動や病害虫に強い植物体を作る作用があります。 


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NOSAI稲作だより

第2号
2023.3

3月以降も気温が高い見込み、作業が遅れないよう注意を

  • 3月に入って最高気温が連日20℃を超す日が多く、桜の開花は3月17日(甲府気象台発表)で2002年と並びもっとも早い開花となり、平年より8日、昨年より4日早くなっています。
  • 気象庁が発表した長期予報によると、1ヶ月予報では気温が高い確率が70%と高く、また、3ヶ月予報でも気温が高い確率が50%と、育苗期が高温になると予想されます。生育が進む恐れがあるので、作業が遅れないよう注意しましょう。

土づくり

  • 土壌の物理性や化学性・生物性を改善し、イネが生育しやすい環境を作るため稲わらや堆肥等の有機物を投入しましょう。(ガス害を防ぐため秋の投入が望ましい)
  • 倒伏防止やイモチ病軽減のため、ケイカルなどのケイ酸資材を10a当り100~150kg、更に洪積土地帯ではヨウリンを10a当り40㎏位施用しましょう。
  • 作土が浅いと生育が劣り、稲わらなどの残渣も埋没しにくいので、15㎝を目安に耕耘しましょう。

田植日から逆算して計画的な育苗を

  • 田植する苗の大きさ(稚苗・中苗)により育苗日数が異なるので、田植日から逆算し計画的に作業日程を設定しましょう。また、苗の大きさにより播種量、箱数も異なるので、種や用土など過不足ないよう準備しましょう。

苗づくり

 昔から苗半作といわれるように、苗の良し悪しがその後の生育を左右します。

 基本に返って失敗しないようにしましょう。目標とする苗質、箱数等は下表のとおりです。

育苗資材の準備

種もみの準備


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NOSAI稲作だより

第1号
2023.3

県総合農業技術センター水稲研究成果の紹介

  • 2月22日に甲斐市双葉ふれあい文化館で開催された県総合農業技術センターの「令和4年度成果発表会」において、水稲の新しい粳(うるち)品種と、糯(もち)品種が紹介されましたのでお知らせします。

   ※なお、文章は成果情報から抜粋、写真は県総合農業技術センターから提供いただきました

多収・高品質・良食味で高温耐性に優れる粳品種「にじのきらめき」

  • 「にじのきらめき」は、国の農研機構中央農業研究センター北陸研究拠点で、高温耐性に優れた「なつほのか」と極良食味の「北陸223号」の交配によって育成され、平成30年に品種登録されました。
  • コシヒカリと比較した主な特徴として
    • 出穂期は1~2日、成熟期は2~3日程度遅い「中生の晩」で、稈長は短く耐倒伏性に優れる(図1)。穂数はやや多く、草型は「中間型」である。
    • 収量は平坦地で多く、高冷地では同程度、大粒で千粒重は2g以上重い。
    • 平坦地では出穂後の高温条件でも乳白粒や基部未熟粒の発生が少なく、整粒比率は高く、高温耐性に優れる(図2)。
    • 食味官能評価は、外観をはじめとした多くの項目で「コシヒカリ」と同等以上であり、極良食味である(図3)。
図1 圃場での草姿(2022年)
左:コシヒカリ 右:にじのきらめき
図3   「にじのきらめき」の食味評価
1)2019~2022年に実施した9回食味試験の平均値
2)「あさひの夢」の食味評価を0とした場合の相対値
3)評価基準は-3~+7までの7段階評価
図2 玄米の外観品質
コシヒカリ
図2 玄米の外観品質
にじのきらめき
  • 栽培上の留意点
    • 耐冷性は「弱」のため、平坦地~中間地(~750m)を対象とし、高冷地では作付けしないこと。
    • いもち病への抵抗性は「コシヒカリ」より強いが適正な防除体系で栽培すること。過繁茂になると紋枯病に罹りやすいので、前年発生した水田では防除を徹底すること。
  • 導入上の留意点
    • 種子は令和5年産から供給予定ですが、種子が少量のため確保できない場合があります。本格的な種子の供給は令和6年以降を予定。
    • 令和4年度中に産地品種銘柄へ指定される予定。

良質・良食味で耐倒伏・耐病性に優れる糯品種「きぬはなもち」

  • 「きぬはなもち」は、平成2年に愛知農試山間農業研究所において、「愛知糯91号」と「イ糯64」の交配によって育成され、平成23年に品種登録されました。
  • 「マンゲツモチ」と比較した主な特徴として
    • 出穂期は4~7日、成熟期は10日遅い「晩生の中」で、稈長は短く耐倒伏性に優れ、穂長、穂数は同等、草型は「偏穂重型」である(図4)。
    • 千粒重は1g程度大きい「中粒」で収量はやや優る。
    • 芒の発現「稀」で短く、着粒密度は「中」、ふ先色は「赤褐」で、形態的特徴は「マンゲツモチ」に類似する。
    • いもち病に強く、縞葉枯病に抵抗性を持つなど耐病性は優れるが、障害型耐冷性は「やや弱」である。
    • 精米特性は「白度」「色むら」ともに評価が高く(図5)、餅への2次加工は粘りやコシがあり食味が良いと評価されている(精米特性は米卸、2次加工は菓子組合で評価)。
  • 栽培上の留意点
    • 耐冷性は「やや弱」のため、平坦地~中間地(~750m)を対象とし、高冷地では作付けしないこと。
    • いもち病への抵抗性は強いものの適正な防除体系で栽培すること。
  • 導入上の留意点
    • 種子は令和5年産から供給予定です。
    • 産地指定銘柄に指定されていないので、農産物検査における品種仕分けはできません。
図4 品種の草姿
左:きぬはなもち  右:マンゲツモチ
図5 玄米の外観品質
左:きぬはなもち            右:マンゲツモチ

第1号 ダウンロード

令和4年

NOSAI稲作だより

第6号
2022.7

第6号
2022.7

梅雨明け後の高温で平年並みからやや早い生育

  • 6月初めから低温が続いていた影響で、平年に比べ茎数が少ない傾向が見られましたが、梅雨明け後の高温で分げつが促進され、中間地から高冷地にかけて概ね平年並みからやや早い生育となっています。

適期適量の穂肥で高品質米生産を

  • コシヒカリなどの倒伏しやすい品種と、あさひの夢などの倒伏に強い品種とでは、穂肥の施用時期や施用量が異なってきますので、下の表を参考に施用してください。
  • 分げつ量が多く、葉色が濃い場合は、施用量を減らして対応しましょう。また、施用時期が遅れたり施用量が多いと玄米祖たんぱく質含有量が高くなり食味が悪くなりますので、注意してください。
  • 穂肥を施用する場合は、湛水状態で行い、散布後3~5日は止水してください。

出穂期前後の水管理

  • 出穂期前後の水管理は次のようにしてください。
  1. 出穂前までは間断かん水(2日湛水、2日落水)を行います。
  2. 出穂~出穂後1週間程度は、稲が最も水を必要としますので、湛水管理で水深3~5㎝を保ってください。
  3. 出穂後1週間程度~出穂後30日は、間断かん水(2日湛水、2日落水)とし、出穂後30日間は完全落水しないでください。
  4. 出穂期に高温となる場合は、胴割れや白未熟粒が発生し品質が低下するので、水交換やかけ流しにより水温、地温の上昇を抑えてください。

斑点米カメムシの発生量がやや多い予想

 7月1日に県病害虫防除所が発表した「病害虫発生予察報第4号」によると、斑点米カメムシの発生量がやや多いとの予報が出ています。斑点米カメムシは、畦畔や近隣の遊休農地のイネ科雑草で増殖し、稲が出穂すると本田に飛来して加害するので、出穂2週間程前までに畦畔等の除草を徹底してください。

 また、天気予報によると12日から22日まで曇雨天となり、いもち病発生の好適条件となる日が多くなります。畦畔等のイネ科雑草に病斑が見られ、北杜市高根町では葉いもちが出始めていますので、十分注意してください。

  • 斑点米カメムシ

 近年、温暖化に伴いカメムシ類の被害が多くなっています。カメムシは籾を吸汁して斑点米を発生させますが、寄生数が多いと不稔になり、ほとんど収穫できない場合がありますので、次により防除してください。

  1. 畦畔や水田周辺のイネ科雑草から出穂期に本田に飛来すること、また水田内のヒエやホタルイの穂がカメムシの誘因源、発生源になることから、出穂2週間程前までに畦畔等の草刈り、水田内の除草をしてください。
  2. 本田への発生が認められた場合は、殺虫剤を穂揃期と乳熟初期(穂揃期7~10日後)の2回散布してください。
  3. 粒剤を使用する場合は出穂期~出穂7日後までとし、湛水状態(水深3㎝程度)で田面に均一に散布し、4~5日間は湛水状態を保ち、散布後7日間は落水・かけ流しはさけてください。
クモヘリカメムシ
ホソハリカメムシ
図 斑点米カメムシの生態
  • いもち病(葉いもち)

 いもち病は、発生してからでは抑えることが難しい病気です。特にいもち病に弱いコシヒカリなどの品種では、田植前の育苗箱への薬剤処理、本田期での予防散布を徹底することが防除のカギとなりますので、次の点に注意してください。

  1. 葉色が濃い場合は、感染を助長しますので、圃場を良く見回り、早期発見、早期防除を徹底してください。
  2. 万が一、葉いもちが認められた場合は、早急にブラシンなどの治療効果のある薬剤を散布してください。
  3. 粒剤やジャンボ剤を使用する場合、水深3cm以上を保ち、散布後は少なくとも3~4日間は湛水状態を保ってください。また、散布後7日間は、落水・かけ流しはさけてください。
葉いもちの病斑

第6号 ダウンロード

NOSAI稲作だより

第5号
2022.6

初期分げつが少ない傾向、浅水管理で分げつを促そう

  • 6月初めから低温が続いていた影響で、平年に比べ茎数が少ない傾向が見られます。藻類の発生が多い田では一度水交換を行い、その後浅水管理(水深2~3cm)とし、昼間止水・夜間注水で水温・地温を確保して分げつの発生を促してください。

気温が高く、降水量は少ない予報、ワキの発生に注意

  • 6月23日発表の1ヶ月予報では、気温は平年より高い、降水量は平年並みから少ない、日照時間は平年より多い確率がそれぞれ高いとの予報となっています。
  • 気温が高く、晴天が続くと土壌が異常還元状態(ワキ)になりやすくイネの生育に影響するので、土壌からの気泡の発生の有無や葉色や分げつ量を確認してワキが発生していないか日頃から観察しましょう。
  • 晴天・高温が続く場合は、2~3日おきに水の入替を行い、ワキや表層剥離の発生を抑制しましょう。万一ワキが発生した場合は、下の表により対策を行ってください。 

有効茎数が確保された田から中干しを

  • 中干しは、水管理の中でも重要な作業です。中干しすることで次のような効果が期待できます。
  1. 土壌の通気を良くし硫化水素等の有害物質を除いて根の老化を防ぎ、活力を維持する。
  2. 窒素の吸収を抑え、無効分げつを抑制する。
  3. 加里の吸収が多くなり、イネの組織が強くなる。
  4. 土壌が硬くなることにより、倒れにくくなる。
中干し終了後の田面の目安
  • 中干しは、有効な分げつが確保された出穂前40日~30日に実施します。中干しの程度は、田面にやっと足跡が付く位か、2~3㎜くらいの小さなヒビが入るくらいで5~7日程度を目安にします。

中干し終了後は、間断かん水に切り替え

  • 中干し後の水管理

 中干し終了直後に湛水すると根腐れを起こしやすく登熟不良や早期枯れあがりにつながります。

 中干し終了後は走り水で飽水管理(足跡に水がにじみ出る程度)した後、徐々に間断かん水(2日湛水、2日落水)に切り替え、根の活力維持に努めましょう。

適切な病害虫防除の徹底を

  • いもち病(葉いもち)

 いもち病は、発生してからでは抑えることが難しい病気なので、特にいもち病に弱いコシヒカリなどの品種では、田植前の育苗箱への薬剤処理、本田期での予防散布を徹底することが防除のカギとなります。NOSAIでは10日から富士支所で、16日から北部支所で、いもち病の一斉防除を行っていますが、次の点に注意してください。

  1. 置き苗は、いもち病の発生源となるので速やかに処分してください。
  2. NOSAIの一斉防除を申し込みされなかった方は、防除が遅れないようにしてください。特に育苗箱への薬剤処理をしていない方は、早急に本田への予防散布を行ってください。
  3. 粒剤やジャンボ剤を使用する場合、水深3cm以上を保ち、散布後は少なくとも3~4日間は湛水状態を保ってください。また、散布後7日間は、落水・かけ流しはさけてください。
  4. 万が一、葉いもちが認められた場合は、早急にブラシンなどの治療効果のある薬剤を散布してください。
葉いもちの病斑
  • 斑点米カメムシ

 近年、温暖化に伴いカメムシ類の発生、被害が多くなっています。カメムシは籾を吸汁して斑点米を発生させますが、寄生数が多いと不稔になり、ほとんど収穫できない場合がありますので、次により防除してください。

  1. 畦畔や水田周辺のイネ科雑草から出穂期に本田に飛来すること、また水田内のヒエやホタルイの穂がカメムシの誘因源、発生源になることから、出穂10日前までに畦畔等の草刈り、水田内の除草をしてください。
  2. 本田への発生が認められた場合は、殺虫剤を穂揃期と乳熟初期(穂揃期7~10日後)の2回散布してください。
  3. 粒剤を使用する場合は出穂期~出穂7日後までとし、湛水状態(水深3㎝程度)で田面に均一に散布し、4~5日間は湛水状態を保ち、散布後7日間は落水・かけ流しはさけてください。
クモヘリカメムシ
ホソハリカメムシ
図 斑点米カメムシの生態

第5号 ダウンロード

NOSAI稲作だより

第4号
2022.5

5月下旬~6月は気温が高く、雨が多い予報

  • 5月19日発表の1ヶ月予報では、気温が高めで雨が多く、日射量は少ない確率が高い予報です。
  • 天候が変わりやすい予報となっています。適切な水管理でワキを予防し、初期分げつを確保しましょう。

土壌の異常還元(ワキ)対策

 田植え後、気温の上昇に伴い、有機物等の分解が進むと、土壌が還元状態(酸欠)になりメタンガスなどが発生。ガスにより根痛みが発生し、水分や養分吸収が阻害され、分げつ不足や葉が黄変することがあります。次のことに留意して、適切な水管理を行ない、根痛みを未然に防ぎましょう。

  • 活着後は、水深2~3cmの浅水管理とし、日中止水、夜間注水の保温的水管理を行い分げつの発生を促進させましょう。
  • 晴天・高温が続く場合は、2~3日おきに水の入替えを行い、ワキや表層剥離の発生を抑制しましょう。ワキが発生した場合は、下の表により対策を行ってください。
  • 除草剤を使用する場合、薬効を確保するため散布後7日間は止め水とします。その間ワキが進まないよう、除草剤散布前に必ず水の入替えを行いましょう。 
ワキによる分けつ不良

いもち病防除を徹底しましょう

 昨年は、8月の天候不順で穂いもちが多発しました。梅雨時は感染条件が整いやすいので、薬剤による防除を徹底してください。

  • いもち病防除剤(粒剤)を散布する場合、水深を3cm以上とし、散布後は少なくとも3~4日間は湛水状態を保ってください。また、散布後 7日間は、落水・かけ流しはさけてください。
  • 県病害虫防除所の水稲いもち発生予測システム(BLASTAM)を参考に防除が遅れないようにしましょう。 

第4号 ダウンロード

NOSAI稲作だより

第3号
2022.5

5月は気温が高く雨が多い予報

  • 4月28日発表の1ヶ月予報では、気温が高めで雨が多く、日射量は少ない確率が高い予報となっています。天候が変わりやすい予報となっていますが、田植は、風のない好天日に行いましょう。

代かきは均平に

  • 代かきは、湛水状態で土をねるため、施用した元肥を混合でき、水持ちを良くし、また田面の均平化によって田植えがしやすくなり、除草剤の効果もあがるほか、苗の活着も良くなります。大切な作業ですので均平化することを念頭に丁寧に行いましょう。
  • 水持ちの悪い水田では、ある程度丁寧に代かきする必要がありますが、一日当りの減水深は2センチくらいが望ましいので、代かきのやりすぎは水が停滞し稲の生育にもよくありません。
  • 代かきする時期は土質、土性によって違いますが、およそ田植えの2~6日前くらいが目安になります。代かき後の落水は田面を硬くし、田植えの精度を落としたり、除草剤の効果を低下させますので、田植えまでは湛水を保ちましょう。  
代かきは水面に土の塊が3割程度見える水量で

田植えは好天日に

  • 天候が安定しない予報が出ていますが、低温や強風の日に田植えすると苗が植え痛みを起こして活着や初期成育の遅れにつながります。出来れば2~3日程度好天が見込める日に田植えをしましょう。
  • 植え付け深度は3cm程度とします。極端な深植えは初期の分げつを抑制し、浅植えも活着しなかったり、除草剤の薬害を受けやすいので避けてください。
  • 植え付け本数は4~5本/株、栽植密度は60株/坪を基本に、田植えが遅れる場合や用水の温度が低い圃場では株当りの植え付け本数をやや多めにしましょう。
  • 欠株は、苗の状態、田面の硬さ、ワラなどのゴミの多さが原因で発生します。多少の欠株は収量に影響ありませんが、連続1m以上の欠株が出た場合には20㎝に1株の割合で補植を行ってください。
  • 補植作業が終わった後も、余った苗を田内に放置する方が見られますが、いもち病の発生源になるので早めに処分してください。

田植え直後は水深5~6㎝の深水管理を

  • 活着期の水管理

 田植後の水管理は、植え痛みによる活着の遅れを防ぐため、田植え後1週間くらいは5~6㎝程度の深水管理にして稲体を保護し、新根の発生を促して活着を促進します。

  • 分げつ期の水管理

 苗が活着すると分げつが始まるので2~3cm程度の浅水管理とし、日中止水・夜間注水の保温的水管理で地温・水温を上げて根の伸長と分げつの促進を図り、茎数の早期確保に努めましょう。

除草剤は適正に使用し、薬害に注意しましょう

 田植え前後に効果的に除草剤を使用して、雑草を抑えましょう。

 田植え前後に散布する除草剤としては、初期剤、初期一発剤、初・中期一発剤になります。

  • 効果的な除草剤の使い方

 水田除草剤は、田面に処理層を形成することで効果を発揮します。除草剤の効果を上げるポイントは、次の3点です。

  1. 除草剤を圃場全体に広げるため、代かきを丁寧に行い凹凸をなくしましょう。また、ジャンボ剤や豆つぶ剤を使用する場合は、アオミドロやウキクサがあると除草成分がうまく拡散できず、薬害が発生することがあるので、アオミドロやウキクサは必ずモゲトンで駆除しましょう。
  2. 均一な処理層を作るため、水口、水尻をしっかり止め、湛水状態で水深を粒剤・フロアブル剤は3~5㎝、ジャンボ剤・豆つぶ剤は5~6㎝とし、7日間程度湛水状態を保ちましょう。
  3. 処理層を壊さないため、7日間は落水、かけ流しは行わず(水深が低下した場合は、ゆっくりと入水) その間なるべく水田内に立ち入らないでください。

 水田の雑草防除については、NOSAI山梨の広報紙(2022春号No.24)とホームページに資料を掲載していますので、そちらも参考にしてください。


第3号 ダウンロード

NOSAI稲作だより

第2号
2022.4

気温が高いことが予想されるので適切な温度管理を!

  • 4月に入って、甲府で25℃以上の夏日が続いています。今後も気温が高い予想となっていますので、浸種・育苗時はきめ細やかな温度管理を行い、ばか苗病等の感染や高温障害(苗焼け)に注意してください。

育苗管理

育苗期間中の病害対策

 出芽を揃え、温度管理やかん水を適切に行い、農薬を適正に使用して病害を発生させないように管理しましょう。育苗中の主な病害は表1のとおりです。

本田の管理


第2号 ダウンロード

NOSAI稲作だより

第1号
2022.3

漏水防止・圃場の均平化を徹底しましょう

  • 水稲の生育と除草剤の効果安定には水田の水持ちをよくする必要があります。用水路や畦畔の亀裂、畦畔や圃場にモグラ穴等がある場合は早めに補修しましょう。
  • 圃場に凸凹があると、凸の部分は除草剤が定着しにくいため雑草が発生しやすく、凹の部分は苗が冠水したり、排水しにくい等の問題が発生しますので、低い箇所への客土など圃場の均平作業をしてください。

土づくり

  • 土壌の物理性や化学性・生物性を改善し、イネが生育しやすい環境を作るため稲わらや堆肥等の有機物を投入しましょう。
  • 未熟の堆肥を入れるとワキ(ガス害)が発生し、稲の生育に悪影響が出ますので、完熟したものを入れましょう。
  • 稲わらを入れる場合は、収穫後遅くも11月上旬までに腐熟促進のため10a当たり20kgの石灰窒素を散布し、稲わらと一緒に鋤きこんでください。
  • 倒伏防止やイモチ病軽減のため、ケイカルなどのケイ酸資材を10a当たり100~150kg施用しましょう。
  • 作土が浅いと生育が劣り、表面にある肥料やワラの残渣などの夾雑物も埋没しにくいので、15㎝を目安に耕耘しましょう。

苗づくり

 

 昔から苗半作といわれるように、苗の良し悪しがその後の生育を左右します。

 基本に返って失敗しないようにしましょう。目標とする苗質、箱数等は下表のとおりです。

育苗資材の準備

種もみの準備


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