果樹農家だより

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NOSAI果樹農家だより

果樹農家の皆さまへ、時季ごとの耳より情報をお届けする「NOSAI果樹農家だより」を発行しています。農作業の参考にしてください。

最新号

NOSAI山梨果樹農家だより(ブドウ)

vol.68
2022.12

活性酸素3:フレンチパラドックス

  • フランス人は乳脂肪や、肉類などの動物性脂肪の摂取量が多いにもかかわらず、心臓病の死亡率が低いことを「フレンチパラドックス(逆説)」と呼びます(図)。
  • 原因は、フランス人が日常的に飲んでいる赤ワインに含まれるポリフェノールの抗酸化作用によるとされました。
  • 1990年代に発表された本説が折からの健康志向ブームに乗り、ワイン出荷量が急増する原動力となりました。
  • その後、さらに研究と議論は進んでいます。飲みすぎは肝臓病などの病気を引き起こす要因にもなるので適量の範囲内で楽しむ原則は変わらないようです。
図.ヨーロッパ諸国と日本における乳脂肪摂取量と心臓病死亡者数の関係(S.Renaud.,Lancet:339,1992.)

今冬の気象予報

  • 11月22日に気象庁より発表された3カ月予報によると今年の冬の気温は、寒気の影響を受けやすいため、平年並か低いでしょう(表)。
  • 降水量は、冬型の気圧配置が強く、低気圧や前線の影響を受けにくいため、平年並か少ないでしょう。
  • ラニーニャ現象が継続して観測されている影響もあり、2年連続のやや寒い冬になりそうです。本格的な冬を迎える前に、畑かんの凍結防止・樹体の防寒対策等の実施をお願いします

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NOSAI山梨果樹農家だより(モモ)

枯死症対策3:モモのゆ合を促す剪定方法

  • 引き続き、果樹試験場が発表した「モモ枯死症の発生抑制に向けて(第3報)」を紹介します。
  • 剪定時に枝の基部を残す、いわゆる「切り残し」を行なうと、切り口はゆ合しないで枯れ込みや胴枯病の感染が多くなり、枯死の原因となると考えられます。
  • したがって、枝の基部を残さずに「すり切り」で切り、ゆ合剤を塗布すると、切り口はゆ合して、枯れ込みや胴枯病感染のリスクは低減します(写真)。
  • 切り口のゆ合を促し、枯れ込みや胴枯病感染リスクを低減するには、次のことを励行して下さい。
  1. 若木の剪定は、厳冬期を避け、3月上旬に実施する。
  2. 剪定時の切り口は枝梢の基部を残さない「すり切り」とする。
  3. 主幹や主枝、太枝の切り口には、必ずトップジンMペースト等のゆ合剤を塗布する。
図 「すり切り」剪定によるゆ合効果

vol.67
2022.12

人気品種「ぐんま名月」を食べてみた

  • モモに限らず、最近、人気の高い果物品種のトレンドを知るためにリンゴの「ぐんま名月」を職員17名で試食しました。(育成地の群馬県以外で栽培されたものの多くは「名月」と呼ばれています。今回は県内産のために通例に従います)
  • 着色は陽光面がほんのりと染まる程度で、満月というより三日月~半月の雰囲気です(写真)。
  • 食味の特徴は、「ふじ」に較べて酸度が低く糖度が引き立って高く感じられました(表)。
  • 総合評価は両品種に大差がありませんでした。
  • 結局、どちらの品種を選ぶかは酸味の多少に対する試食者の好みで決まった様でした。既存概念と異なる品種が多様な消費者嗜好に彩りを加えます。
写真 試食リンゴ 左:ふじ、右:名月

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NOSAI山梨果樹農家だより(ブドウ)

vol.66
2022.11

活性酸素2:抗酸化物質

  • 生物は酸素の取り込みに伴い発生する有害な活性酸素を除去する何種類もの抗酸化物質を同時に発達させてきました。 *Super Oxide Dismutase(活性酸素除去酵素の一つ)
  • それらの物質の一つであるSODの活性は霊長類とネズミにおいて最長年齢強い関係が認められました(図)。つまり、活性酸素を低い状態に維持すれば、病気に罹らず老化が抑えられ長生きが出来る可能性があります。SOD維持のためには体調管理や禁煙等が必要です。
  • この他、抗酸化物質には食物として摂取するもの、ビタミンC、茶のカテキン、緑黄色野菜のβ-カロチンなどが数多くあります。また、赤ワインに含まれるポリフェノールも注目されています。(つづく)
図.霊長類とネズミにおける最長寿命とSOD活性/比代謝率との関係(Tolmasoff,J.M.)

RAC(ラック)コードの有効利用

  • 農薬が病害虫に効くメカニズム(作用機構)は農薬に含まれる有効成分ごとに違います。
  • 農薬を作用機構ごとにグループ分けしたものを系統と呼びます。
  • 同じ系統の農薬を連用すると抵抗性が発達し、効かなくなってしまいます。そこで違う系統の農薬を交互にローテーション散布する必要があるわけです。
  • 農薬メーカーは、全ての農薬を系統別に分類し、番号とサブグループを示す記号を振り3種類のRACコードを設定して分かりやすくしています。
  • 殺虫剤ではIRACコードが使われます。例えば、主なダニ剤は表のように分類され、違う番号コードの農薬を選択すればダニの抵抗性発達を防止できるようになります。

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NOSAI山梨果樹農家だより(モモ)

枯死症対策2:土壌病害の見分け方

  • モモ樹が枯れる原因は枯死症の他に土壌病害等がありますがしばしば混同されているようです。今回はこれらの見分け方について取りまとめて紹介します。

vol.65
2022.11

燃料としてのアンモニア

  • 窒素肥料として使われるアンモニアは二酸化炭素を発生しない新エネルギー源として期待されています。虫刺され薬の「キンカン」に入っているあの臭い物質です。
  • 本来、アンモニアの燃焼は弱く、不安定なものでしたが、条件を適切に設定すると十分に燃焼してエネルギーを発します。
  • 当面は天然ガスや石炭に混ぜて使われますが、将来はアンモニアだけで燃焼させて実用化されると期待されています。
  • 同時にアンモニア生産量が増大すれば、コスト低減により農業面のメリットも高まります。
図 タービン内で旋回燃焼した際の火炎
(国立研究法人 科学技術振興機構)

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NOSAI山梨果樹農家だより(ブドウ)

vol.64
2022.10

活性酸素1:その益と害

  • 生物は生きるために空気中の酸素を体内に取り込み利用しています。
  • 哺乳類ではそれら酸素の数%が体内で反応性の高い活性酸素に変化します。
  • 活性酸素は細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。
  • 実際に近縁の哺乳類では心拍数が高く、体重あたりの酸素取り込み量の多い動物ほど平均寿命が短く、老化が早い傾向にあります(図)。
  • 次回からは、活性酸素に対し防御作用のある抗酸化物質と果樹との関わりについて紹介します。

「甲州」を栽培しましょう

  • 日本を代表する醸造用ブドウ品種である「甲州」の栽培が平成初期の半分に低下しています。
  • この背景には、栽培者の高齢化、価格低迷、天候不順、生食用優良品種の台頭などがあります。
  • 将来に向い「甲州」を守っていくことは、ワイン産業にも栽培農家にも重要です。
「甲州」の栽培面積と生産量の変遷
(山梨ワイン産地確立推進計画より)
  • 優良系統選抜や生産安定のための技術開発制度整備が進んでいます。栽培農家は本品種を今後の栽培計画に取り入れてはいかがでしょうか?

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NOSAI山梨果樹農家だより(モモ)

枯死症対策1:発生樹の特徴

  • 県下モモ園において発生する枯死症の特徴や対策について主に果樹試験場の研究資料を用いて、数回にわたり連載します。冬~春季管理の参考にして下さい。
  • モモの枯死症は、以下の症状を示します。

 ・樹齢6年生までの若木に発生が多い。

 ・春先に発芽はするが、新梢が伸長せずに枯れる(写真)。

 ・台木は健全でヒコバエの発生がみられる。

写真.枯死症の発生樹
(日川白鳳、4月25日)
  • 発生樹の主な特徴(以下の症状が複数見られる園が多い)

 ・冬季剪定時の強剪定により、主幹部や主枝に太枝を切除した切り口が多数あり、その切り口から主幹部に枯れ込み

  が入っている。

 ・剪定した枝の基部が切り残され(通称:でべそ切り)、その切り口から主幹部にまで枯れ込みが入っている。

 ・主幹部に裂傷が発生している。

 ・胴枯病の発生が多い。

 ・枝が軟弱徒長している。

vol.63
2022.10

モモ園土壌物理性と核割れ発生

  • モモの核割れは、品種や栽培管理以外に土壌物理性の影響も少なくありません。
  • 果樹試験場によると、核割れが多く発生する園土壌は硬く透水性は悪く気相率(土壌中に含まれる空気の割合)が低い傾向にあります。
  • 基肥を施肥する際には有機物による土作りも同時に行ないましょう。
  • これにより土壌水分の急激な変動が緩和され収量や果実品質が低下しない安定栽培の実現につながります。
モモ核割れ発生園の土壌硬度
(品種:白鳳、果樹試験場成果情報)

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NOSAI山梨果樹農家だより(ブドウ)

vol.62
2022.9

暑かった夏が終わりに近づく

  • 今夏の気象を果樹栽培面から振り返ります。
  • 梅雨期間中の気象変動は大きく、一度発表された梅雨明け日が7月23日に変更される程でした。全般には山梨県下において気温が平年より高く、降水量は少ない傾向でした(表)。
  • 6~7月の平均気温は過去50年間で4番目と高温傾向が顕著でした(図1)。
  • 特に6月下旬は日射量が強い状況が続き、摘粒作業中の幼果で一時的に日焼け症状を発生しやすくなり、クラフト傘などによる遮光処理が必要でした。
  • 反対に、夏季を通した6~8月の降水量は過去50年間で9番目の少なさでした(図2)。
  • このため、砂地や粘土質土壌の園地を中心に乾燥害を受けないようにスプリンクラーやポンプによる潅水を行いました。
  • 一方、雨水が感染源となるべと病等の病害の発生については農業共済への被害申請数は9月上旬時点で少ない状況です。
  • これらの苦労が実り、また日照時間に恵まれ9月上旬時点で巨峰・ピオーネ、シャインマスカット等の主力品種の出荷が順調に進んでいます。
  • 今夏の経験は、温暖化が進行する状況において、潅水施設の整備安定栽培技術新品種開発の重要性を示しています。

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NOSAI山梨果樹農家だより(モモ)

幹は水の通り道

vol.61
2022.9

  • モモに限らず樹木は、水分をにより吸収し、を通して枝に送り、葉面から蒸散させて気化熱により樹体の温度が上がり過ぎないように冷却しています。
  • 途中にある幹は根から上に向かう水の通り道です。枝の本数が多く、葉の枚数が多い樹(樹冠容積の大きい樹)では吸い上げる水量が多いので通り道である幹が太くなります(図1)。
  • 図1において、きれいな直線に乗らないのは、実際には品種や樹齢や園環境に応じて樹冠容積は調整されることが多く、関係が崩れやすいと考えられます。
  • 次に、モモ樹の根に近い主幹部の断面積を測る際に、その上の二股に分かれた第1主枝と第2主枝の断面積の合計値も測り、関係を求めました(図2)。
  • その結果、主幹部の断面積と主枝断面積合計値の間には明瞭な1:1に近い直線関係が見られました(図3)。
  • 樹の幹とは水を通すパイプとの様な物と考えられ、主幹が主枝に分岐しても、通る合計水量は変わらないので主枝ごとの断面積の合計値と主幹断面積値はほぼ変わらないわけです。
  • ただし、図3では主幹の断面積が0.05㎡以上と大きくなると主枝断面積合計値が低くなり、次第に1:1の関係から離れていきます。
  • これは幹の太い大木では高い位置まで水を引き上げる必要があるので、主枝をすぼめて樹体内圧が低下しないよう調整し、水分の上昇を維持しているためと考えられます。
図1 モモ主幹の太さと樹冠容積の関係
図2 モモ主幹と2つの主枝(模式図)
図3 主幹断面積と主枝断面積の関係

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NOSAI山梨果樹農家だより(ブドウ)

vol.60
2022.8

本当に勝沼は暑い?

  • 最高気温測定地点としてすっかり常連となった勝沼について、「あれ、昔からそんなに暑いところでしたっけ?」と若干の戸惑いを感じています。
  • 近年、猛暑日(最高気温が35℃以上の日)の年間日数は温暖化により国内各地で増加の傾向にあります(図)。
  • 2010年以前の勝沼では、他の常連地に比べて猛暑日の日数はむしろ少ない傾向でしたが、それ以降肩を並べています。
  • この急上昇の原因は不明ですが、現在、国内有数の酷暑地点であることは否定できません。樹だけでなく人の健康管理の重要性もますます高まっています。

ブドウ泥棒を防ぐために

  • トウモロコシやモモ、スモモ等農産物の盗難被害が発生しています。最近の手口の特徴は、計画的で大胆な点です。未解決のままになる場合が大半であり、解決しても賠償されない場合も多く、被害農家は減収とともに精神的ショックを受けます。
  • 今後、シャインマスカットの本格的な収穫期に迎えるにあたり、以下の点に留意しながら主に未然防止の視点から農作物盗難対策を進めましょう。
  1. ネットや柵等の設置。
  2. 「盗難注意」「立入禁止」「農薬散布直後」等の看板やのぼり旗の設置。
  3. 防犯カメラ、センサーライト等の設置。
  4. 周辺に「防犯カメラ作動中」等ステッカーや看板等の設置。
  5. 盗難防止パトロールの実施。
ブドウ盗難防止用ネット

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NOSAI山梨果樹農家だより(モモ)

モモ園の潅水の重要性

vol.59
2022.8

  • モモ園においては、水が絶えず出入りしています(図)。
  • 樹はを通して年間745mmの水を吸収し、果実を生産する他、葉からの水蒸散により樹体を冷却し、適温に保っています。
  • 園に入る降水量は年間1164mm程度です。しかし、降雨の一部は、地下浸透や地表面流去するので全量吸収は困難です。
  • そのため、夏季には土壌が乾燥しない様に定期的な潅水により水分を補う必要があります。
  • 収穫後も園の状態を見ながら忘れずに潅水を実施しましょう。
図 モモ園における年間の水の動き
(6年間の試験結果)

高山植物は温暖化における「鉱山のカナリア」

  • 今夏は梅雨明けが早く、猛暑が続き、日焼け等高温障害の発生が話題となり、地球温暖化を実感します。
  • 地球は長い歴史の中で寒冷化、温暖化を繰り返しています。氷河期に分布が広がり、その後温暖化につれて南アルプス等の標高が高く、気温が低い山地に取り残された植物高山植物と呼ばれています。
  • かろうじて残っている植物ですので環境変化には敏感で、温暖化により生育域縮小等の影響を受けます。
  • かつて、鉱山で鉱道の毒ガス感知に用いられたカナリアに例えて、高山植物は温暖化による変化をいち早く知るための「鉱山のカナリア」と言われています。

ニッコウキスゲ
(南アルプス高山植物保護ボランティアネットワーク)

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NOSAI山梨果樹農家だより(ブドウ)

vol.58
2022.7

1日で発生する日焼け果

  • 梅雨明け直後の日射量が強い条件では果房の肩部分の果粒が委縮して茶色に変色する日焼け果が発生します(写真)。
  • 摘粒がやっと終わり、袋掛けが完了し、長雨から解放され、これから本格的な果粒肥大や糖度上昇を期待する矢先のことです。
  • 特に果房の肩口が欠けてしまうとしまうと房形や果房重が十分と言えなくなってしまうので栽培者の落胆は大きくなります。
  • 対策法のポイントは2点です。まずは、土壌が乾いていればスプリンクラーで2時間程度のかん水をしましょう。
  • また、クラフト紙のカサ使用新梢の誘引により日光が直接果房に当たり高温にならない様にしましょう。
シャインマスカットに発生した
日焼け症状

線状降水帯の予測開始

  • 線状降水帯とは、次々と発生する積乱雲が列をなし、同じ場所を通過または停滞することで、線上に伸びた地域に大雨を降らせるものです(図)。
  • 本年6月に気象庁は線状降水帯による大雨の可能性を予測し、まずは大まかな地域を対象に半日前からの情報提供を開始しました。
  • 図の例では、雨が降る地域が線上に50km以上細長く伸び、その中心部では3時間で200mm以上の大雨が続いていました。
  • 梅雨末期以降は予報に注意しましょう。

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NOSAI山梨果樹農家だより(モモ)

この様なモモの剥き方はいかが?

vol.57
2022.7

  • モモを剥く方法についてサイト検索し、より良い方法を検討しました。
  • 調べた23サイトの約8割で以下の方法を推奨していました。
  • 果実の縫合線に沿って周囲に切れ込みを入れ、ルービックキューブ式に左右を別々に回転させて半分に割った後、さらにナイフで細分する方法です(図1,2)。
  • ただし、過熟果実ではこの方法により果肉が崩れやすいので初めからナイフで8分割します。
  • また、硬い果実の皮を剥く際には、沸騰した湯に5~10秒間漬けると皮が指で剥けるようになります(図3)。
  • このように剥き方が工夫されるのは、貴重な果実を残さず十分に味わおうとする消費者意識の現れでしょう。
図3 沸騰水処理により皮が剝け易くなる

増加する果物輸出

  • 輸入額はバナナを筆頭に、上位5位の合計額は県産果実生産総額の約4倍に相当します(表)。
  • 一方、輸出額は上位5位までの合計額が輸入額の1/10に過ぎず、今後は大幅な増加が予想されます。
  • 現状ではリンゴが全体の輸出額の約半分に相当し、台湾、香港、東南アジア等温暖な国で人気果物です。
  • ブドウ、モモの輸出額は最近5年間で50%以上急増しています。
  • 各果実の現地価格は国内価格の3~5倍と高く販売されています。円安基調も後押しとなり、今後も輸出額の増加が期待されています。

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NOSAI山梨果樹農家だより(ブドウ)

vol.56
2022.6

ブドウ台木とフィロキセラ

  • ブドウに台木を使う理由は複数ありますが、最大の理由はフィロキセラ(ネアブラムシ)対策です。
  • ブドウは挿し木をすれば、台木を使わない自根でも栽培できます。しかし、根にフィロキセラという虫が寄生してブドウの樹を弱めます。
  • フィロキセラ抵抗性台木を用いると影響なくブドウ栽培が可能となり、現在では全世界で普及しています。
  • 1860年代のフランス(ブドウ栽培面積約230万ha、日本現面積1.7万ha)では当時主流であった自根樹のほとんどがフィロキセラにより壊滅状態に陥りました。
  • 抵抗性台木による解決法を研究したG.Foëxの功績を称えてフランスのモンペリエには乙女が老女を抱き起す銅像が立っています。
モンペリエ農業科学高等教育国際センター内の
記念碑
 (画像引用 wikipedia より)
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Gustave_Fo%C3%ABx

シャインマスカットの開花異常

  • 一昨年頃から開花時に花冠が離脱しない等の異常症状がみられます。
  • そのような房は果粒となっても肥大しないで、変形果二重果となってしまいます。
  • この症状は開花前の花蕾表面にスジがなく、丸くツヤがある場合多いの で判別基準の一つになります(図)。
図 異常花蕾判別 (山梨県果樹園芸会発行山梨の園芸5月号)
  • 本症状の根本原因は不明ですが当面の対策として以下が考えられます。
  • まず、房づくりの時期を多少遅らせて開花異常の兆候を識別します。開花異常は主穂先端部に多くみられるので、異常症状が認められる場合は正常な上部支梗を使った房づくりに変更を検討して結実確保に努めます。

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NOSAI山梨果樹農家だより(モモ)

農薬を溶かす順序

vol.55
2022.6

  • 農薬は混用で散布する場合が多く、調整時に沈殿や変性を起こす場合があります。各農薬が均一に溶けて十分な効果を発揮するためには順序を守る必要があります。
  • まず、混用が可能な農薬どうしか防除暦に添付されている事例集で確認します。
  • 水に溶かす順序は、溶けやすい農薬から溶かす点です(図)。
  • 最も溶けやすい農薬は展着剤()と液剤。次に乳化剤を含む乳剤()。フロアブル剤、果粒水和剤、水和剤は全て水和剤()です。「てにす」と覚えましょう。
  • ただし、この基本には例外が多く存在します。例えばモベントフロアブルは最初に溶かします。必要に応じて相談願います。
図 農薬を溶かす順序(てにす)

降雨による除草剤処理効果への影響

  • 使用機会の多いグリホサート剤について処理後の降雨の影響を調べました(図)。
  • 試験条件:イネ科雑草が地表を覆うモモ園を1辺2~3mで区画化し100倍液を散布処理。:散布後24時間は降雨なし。水色:散布2時間後に十分な水を動噴で散布し洗浄。:散布液に展着剤サーファクタントwk500倍を添加し処理後同様に水洗浄。
  • 結果は3処理区の除草効果は何れも十分でした。雑草は2週間で一掃されます。
  • 天候が不安定な時期ですが散布後2時間降雨がなければ除草効果は現れます。
図 グリホサート剤処理効果への降雨の影響

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