12月16日に中央市役所豊富支所で行われた青色申告等説明会の様子をレポートします。この日は21人の方にご参加いただきました。
今回は、消費税インボイス制度の説明を希望する方が多かったので、まずインボイス制度の説明。いつもお世話になっている税務署の廣地さんに1時間じっくり丁寧に説明していただきました。
<要旨>
売り上げが1000万円を超えると、2年後から消費税の申告が必要になります(「課税事業者」)。1000万円以下で申告をしなくていい者は「免税事業者」です。
インボイス制度は、課税事業者が消費税の仕入れ税額控除を行う際に、必要な請求書や領収書がインボイス方式でないといけなくなる、というもの。農家さんの場合、「インボイスが必要なお客さんがいるかどうか」が重要になります。
例えば、JAや卸売市場に出荷している場合は特例によりインボイスは必要ありません。個人消費者に販売する場合も、恐らくインボイスは必要ないと思われます。確認すべきは課税事業者である企業や事業主のお客さんがいるかどうか、また、そのお客さんがインボイスを必要とするかどうか、ということになります。
課税事業者である企業や事業主に農産物を販売する場合でも、先方が簡易課税であれば、インボイスは必要ない場合もありますので、個々に確認していただく必要があります。
インボイスの発行が必要だということになれば、税務署への登録が必要になります。登録すると、現在免税事業者の方でも課税事業者となり、消費税の申告と納税が必要になります。(令和5年10月から発行したい場合は令和5年3月までに登録!)
この制度は、令和5年10月から始まりますが、6年間の経過措置があります。インボイス方式の請求書や領収書でなくても、3年間は80%、その後3年間は50%が仕入れ税額控除できます。インボイスでないからいきなり0というわけではありません。
その後質問がたくさんあったので、何点かご紹介します。
(1)直売所で販売している場合、インボイスは必要か?
―直売所は、JAが経営している場合でも特例の対象にはなりません。販売形態にもよりますが、みなさんで話し合いをしていただき、どうするか決めていただくことになると思います。
(2)直売所ではどのような対応をすればいいのか?
―その直売所で「インボイスは出さない」と決めれば今までどおりです。企業や個人事業主のお客さんがいてインボイスが必要ということになれば、全員が登録して課税事業者になるという選択になるかもしれません。その際には、「登録しない人がいる場合はどうするか」も合わせて考えておく必要があります。現実的ではないかもしれませんが、インボイスを出せる・出せないでレジを分けるなどの方法もありかもしれません。
そのほか、簡易課税制度の注意点や、インボイス作成時の注意点(記載事項や端数処理方法)などの説明もありました。
さて、休憩をはさみ青色申告の説明です。
青色申告制度をオススメする理由は、①正しく記帳することで事業経営の合理化・効率化等の検討に役立つ、②税法上の特典があり節税できる、ためです。
節税メリットは次の3つです。
①青色申告特別控除(最高65万円)
②青色事業専従者給与を必要経費にできる
③純損失の繰越しと繰戻しができる
これにより、例えば所得600万円の方の場合、青色申告特別控除だけでも約19万円(簡易方式でも約3万円)の節税になります。
なぜNOSAIで青色申告の説明会を行っているかというと、収入保険に加入できるのが青色申告農業者(個人・法人)だからです。
収入保険は、税務書類で加入&支払を行うため、青色申告農業者に限定されています。NOSAIでは、一人でも多くの方に収入保険に加入して経営安定を図っていただくため、加入のおすすめと同時に青色申告もおすすめしています。
最後は、NOSAI職員から収入保険の説明をさせていただきました。
来年分の収入を補償する場合、個人の方と、1月が事業開始の法人の方は12月末までが加入申請期限となりますので、お早めにお近くのNOSAIまでご連絡ください。収入保険についての詳細はコチラ!