先週開催した「青色申告・インボイス制度説明会」の内容を簡単にご案内します。
令和5年10月から始まる消費税の制度です。消費税の課税事業者が「仕入税額控除」をするためには「インボイス(適格請求書)」が必要になります。
そして、インボイスを発行するためには、「適格請求書発行事業者」の登録を受ける必要があり、登録を受けると、現在課税売上高1000万円以下の「免税事業者」の方も「課税事業者」となり、消費税の申告が必要になります。
農家さんの場合は具体的にどうしたらいいのかというと・・・
〇インボイスが必要な売り先があるかどうか確認する
まず、売り先(お客さん)で、インボイスが必要な方がいるかを確認しましょう。JA出荷のみの方は、特例によりインボイスの発行は不要です。例えば、スーパーに出荷していてスーパー側がインボイスを必要とするかどうかを確認しましょう。直売所の場合は、対応をどうするか相談しましょう。インボイスが不要であれば、特に何もする必要はありません。
〇インボイスが必要!ということになったら・・・
・課税事業者の方
税務署に適格請求書発行事業者の登録申請をしてください。今は登録番号が発行されるまで、2・3か月かかるそうなので、お早めに。売り先でインボイスが必要であれば、登録番号や適用税率、税率ごとに区分した消費税額等など必要事項を記載した請求書等を発行します。現在お使いの請求書や領収書等に必要事項を追加すればOKです。
・免税事業者の方
同様に税務署に適格請求書発行事業者の登録申請をします。登録申請をすると、課税事業者になりますので、登録申請以降の確定申告をする際に、合わせて消費税の申告もすることになります。
申告の際、簡易課税制度(事務負担が少ない申告方法)を選択する場合は、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。
Qインボイス発行事業者の登録は、どこに届け出をすればいいか?
A千葉県にある「東京国税局インボイス登録センター」で受け付けています。
Q令和5年10月までの請求書等は、インボイスでなくても仕入税額控除はできるか?
Aできる。10月1日からはインボイスでないと仕入税額控除ができなくなる。(経過措置あり)
インボイス制度については、国税庁ホームページの特設サイトで、制度の詳しい内容や、Q&Aなどを確認することができます。
特典は3つ!
① 青色申告特別控除
所得金額から最高65万円を差し引くことができます。
② 青色事業専従者給与の必要経費算入
配偶者等に払う給与を必要経費にすることができます。
③ 純損失の繰越控除と繰戻しによる返還
赤字を、前年や翌年の所得金額から差し引くことができます。
農業経営をしていれば、確定申告は必須です。帳簿を付けたり、保存したりすることは、青色申告でも白色申告でも必要ですので、特典のある青色申告に挑戦してみましょう。
青色申告をするには、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。個人事業主の方は、令和6年3月15日までに提出すれば、令和6年分から青色申告をすることができます。
専従者給与がある場合には、「青色事業専従者給与に関する届出書」と「給与支払事務所等の開設届出書」、源泉所得税の納期の特例を受ける場合には「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も忘れずに提出しましょう。
Q赤字は翌年に繰り越せるのか?
A農業が赤字で、不動産収入や給与など他の所得がある場合は、まず他の所得から差し引く。それでも赤字の場合や、他の所得がない場合は、翌年に前年の赤字の金額と、その旨を記載して差し引く。(翌年が黒字の場合)
Q配偶者控除と専従者給与はどちらが有利か。
A専従者給与の金額による。配偶者控除38万円と比較して判断する。
正規の簿記は、簿記の知識や会計ソフトがないと難しいので、まずは簡易簿記から始めましょう。
<甲府青色申告会>
・1税務署に1申告会がある。
・会員の青色申告をサポート
会計ソフトのインストール・設定・操
作から、日頃の記帳、申告まで!
ぜひ、この機会に青色申告を始めましょう!
収入保険への加入もご検討ください。